一段落
小学校の卒業文集に、将来の夢について短い作文を載せるページがあって、私はそこに「理科が好きなので、大学で専門的なことを学んで、将来は化学(科学)関係の仕事がしたいです。」と書いた。
親の期待に応える気持ちも若干あったけど、確かに理系の勉強が好きだった私は「実験室で試験管を振る仕事」に憧れていたのだ。
そして巡り巡って今、縁あって仕事で試験管を振っている。そう、子供の頃に思い描いていた夢が実現したのだ。(大学卒業してすぐは別の職種に携わっていたけど、「ケーキ屋さん」という括りにしてしまえば、幼稚園の頃の夢でもあったのでまあいいや)
今週は300本以上の試験管を振った。いや、いくらなんでも振り過ぎだろう。小学生の私もそこまでは想定していなかったぞ。おまけに、ホールピペットで粘度の高い液を吸い上げすぎて右手が筋肉痛だ。
仕事って、実際にその現場に足を踏み入れてみないとわからないことがいくらでもあるんだなぁと改めて実感した。
ようやく私の受け持つ分析試験が一段落した。
最初、実験器具の操作が上手くいかなくて散々悔しい思いをしたけれど、回数をこなしていくうちに徐々に手が慣れてきて、それなりに結果が残せるようになった。精度としてはまだまだとは言え、少しずつ確実に経験値は上がっている実感がある。
単調な作業ではあるけれど、誤差の範囲がどこまで許されるかを試行錯誤ながら手を動かすのは楽しいし、結果が数値としてダイレクトに表れるのは気持ちが良い。
「大丈夫。その仕事りかさんに向いてるよ。心配ないよ。」
そう言って背中を押してくれた友人のことを思った。
うん、これからもきっと頑張れる。良いことばかりでもないけれど、私は私のやることをやるよ。
とりあえず週末はのんびりしよう。
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